「戻ってくるべき本」はこれにしました:末川博編「法学入門 第6版」
2014年3月26日
初版が1967年、第6版は2009年発行。
前にもどこかで書いたが、ぼくは法学をきちんと学んでこなかった。むしろいろいろとこじつけて逃げてきたきらいがある。「なんか難しそうだなぁ」という漠然とした苦手意識があったのだと思う。そんな中、思うところあって刑事訴訟法について勉強し直しているのは以前に書いた通り。
さて、新しい分野を学ぶにはとりあえず「核」となる教科書を探すようにしている。何か分からないことにぶち当たった時に、基本を確認するために戻ってくる本だ。
今回、法学に踏み込む上で選んだ「核」の教科書がこの本。初学者向けで大学の教科書として執筆されているようだ。それだけに内容もなぜ法を学ぶか、いかにして学ぶかという基本の基本に始まり、法そのものの考え方や歴史、憲法や権力分立、基本的人権など根幹をなす基礎を解説している。
どうしても硬くなりがちな内容かもしれないが、大学の講義のようにとても分かりやすく書かれている。初学者のぼくでも「なるほどなるほど」とそれほど難なく読むことができた。基本的な考え方やセンスなど、法学のエッセンスに触れることができたと思う。
とはいえ、あくまで法学の基礎であって、六法など各法律については別の本に任せるわけだが、それら各法律のベースはこの本で固めることができると思う。もちろん、専門家からすれば「まだまだ甘い」と言われるかもしれない。しかし、素人の自分にとってスタートとするには十分すぎる内容だった。今向き合っている刑事訴訟法を中心に、ここからさまざまな法律の概論にあたっていくことになるだろう。
まだまだ道はこれからだが、基本を確認するために戻る本としてしばらく活用したい。
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