時間を捻出するための考え方とは何か:本田直之「レバレッジ時間術」(幻冬舎新書)
2013年8月4日
仕事やプライベートを両立させる上で、どうしても直面するのが時間の問題だ。どう頑張っても時間が足りない。著者はその打開策として、時間に「レバレッジを効かせる」ことの重要さを説いている。
とはいえ、時間は誰にでも平等に与えられた資源であり、どうあがいても増やせるものではない。ともすれば、仕事やプライベートを問わず「やること」の取捨選択やスピードアップを考えてしまいがちだが、著者は必ずしもそうではないとする。あくまで「時間の使い方」についての認識を改めることを強く主張している。
例えば、これは吉越浩一郎著「デッドライン仕事術」でも挙げられていたが、まずは長時間労働に陥りがちな仕事への取り組み方を変える必要があるとする。これは「時間さえかければ仕事は終わる」という考え方が、仕事への集中力や効率を下げているということ。あらかじめ仕事の締切をきちんと設定し、それまでに終わらせることで結果的に時間を捻出することができるということだ。
また、あらかじめやりたいことをリストアップして、スケジュールから「天引き」をする。それにより、仕事にかけられる時間も決まってくるので「締切効果」が高まる。さらに、仕事でもプライベートでも、チェックリストや時間割をつくることで行動のスピードと精度も高める手法を紹介。行動を習慣化させる仕組みづくりを通して時間の捻出する方法を紹介している。
時間を捻出するための細かい方法もいくつか紹介されているが、これはそれぞれ環境が違うのでどれも実用できるものではない。しかし、この「時間にレバレッジを効かせる」という考え方は、時間捻出だけではなく仕事やプライベートのいずれでも、集中力や効率を高めるための一手法としていろいろと応用できるはずだ。